明日の種

〖解説〗ベーシックインカム制度を日本で導入した場合、経済はどうなるのか

新型コロナウイルスの支援金として全国民に一律10万円が支給されることになりました。

特別定額給付金の受け取り時期・受け取り方法についてはこちら

もし、一律10万円支給される、今回の特別定額給付金が国の制度として確立したらどうでしょう。
不安でいっぱいの今が、少し明るくなりませんか??

今回の政府の決断はコロナウイルによる緊急措置ですが、多くの著名人が常々このようなことを述べています。

”ベーシック・インカム(Universal Basic Income)制度を導入すべき”だと。

実際、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏はハーバード大学の卒業生に向けたスピーチの中で、生活費や医療費、子育て資金などを心配せず、やりたいことをビジネスとして形にしていくためにも、全ての人へのベーシック・インカム支給の必要性であると強調しています。

また、初めて指名大統領候補になった女性政治家のHillary Clinton(ヒラリー・クリントン)氏も、ベーシック・インカム制度の導入を検討していました。
日本では、起業家の堀江貴文氏が、社会が荒れずに健全であり続けるには、ベーシック・インカムが最適解だとする考えを主張しています。

今回はそんなベーシックインカムについて詳しく書いていこうと思います。

ベーシック・インカム(Universal Basic Income)制度とは?

ベーシックインカム制度とは、所得水準や就業の有無にかかわらず、国民に最低生活水準を保障する額の給付を一律に支給する社会保障政策である。
その代わりに、公的年金や生活保護など、医療保障を除いたあらゆる所得保障制度を全廃する。

つまり、年金や生活保護は全て撤廃になるが、今回の特別定額給付金が毎月もらえるようになると言うものです。

そもそも導入国はあるの?

ベーシックインカムを導入している国は現在ありません。
しかし、アメリカではアラスカ州においてベーシックインカム制度の実験が行われ、その実験に成功しました。
そして現在でもベーシックインカムの導入が継続されています。
なぜアラスカではできるのか?
それは、この地域は石油産業が発達しているからです。
アラスカでは州営の石油パイプラインが運営されており、Alaska Permanent Fundという公益ファンドを通して州の住民にベーシックインカムが分配されているのです。

 
また、福祉国家で知られるフィンランドでは、2017年に国家レベルで導入実験が行われています。
給付額は日本円にすると月々7万円弱になります。
ただ、国家レベルとはいえ、「ベーシックインカムが失業率の低下にどのような影響をもたらすのか調査すること」を目的に導入しているので、支給対象は無作為に選出された2000人の失業者に限られています。
 
そのほかにも国家レベルではありませんが、地域によってベーシックインカムを導入している国があるという状況です。

ベーシックインカムのメリット

ベーシックインカムが導入されることで、もたらされるメリットは多く挙げられます。

● 貧困層の減少

生活してゆくのに最低限の収入があれば、母子家庭の方や賃金が少ない方、病気や年齢で働くことが困難な方がそれほど苦しまずに生活できる環境を作り出せます。
 

●仕事観の変化

毎月お金を支給されるとなると、無理して働かなくてもいいような気がしますよね。
実際、最低限の収入が支給されるために、働く必要性を感じなくなる方が発生してしまうというのは事実です。
しかし、生活に必要なお金が保障されれば、「生活のために働く」という考え方自体が払拭されます。仕事が「食べるためのもの」ではなくなり、「生活を豊かにし人生を豊かにするためのものだ」と考えられるように変化してゆくでしょう。
仕事観そのものが変われば、仕事への意識や姿勢が変わり、生産性も上がることが期待されているのです。

 ●少子化対策

ベーシックインカムは子供にも支給されます。
子供を養うには莫大なお金が必要になりますが、支給額に加えて仕事の収入を足せば、子供が多いほど生活が安定する可能性も考えられるのです。

 ●犯罪数の低下

日本においては、海外ほど貧困から起る犯罪は少ないものです。しかし、多くの国において貧困は犯罪を引き起こす根源となっています。生活に最低限必要な収入を受けることで、生活面のみならず、精神面における安定ももたらされ、結果的に犯罪の減少につながることが期待されています。
実際、コロナの影響により立てこもり事件や殺人事件が発生しています。
ベーシックインカム制度が導入されていれば、心に余裕ができ、コロナ離婚やDVも起こらないかもしれませんね。

● 起業の促進

起業には、多くのリスクが伴います。莫大な資金を集めて事業を起こしたにもかかわらず、失敗に終わった場合に受ける損害は大きなものです。特に、日本においてはこのようなリスクが原因となっているため、起業に対する見方もそれほど好ましくありません。しかし、仮に失敗したとしても生活して行けるだけの収入が約束されていれば、起業に踏み切れるケースも増加することが予想されます。

ベーシックインカムを導入するデメリット

では逆にデメリットとして考えられることはあるのでしょうか。

●格差の広がり

ベーシックインカムにより、労働意欲が高まる人と、逆に労働意欲が低下する人の二極化が発生します。
働かない人とより一層仕事に力を入れる人の間で、意識・収入の格差が広がってしまう恐れがあるのです。
このような二極化をどのようにして防ぐかという問題が残されているのです。

●富裕層の海外流出

ベーシックインカムを実現するには豊かな財源が必要です。税を負担することで、これらの財源を提供する義務のある富裕層は、その多額の負担に不満を感じ、国内から出て行ってしまう可能性が考えられます。

●福祉水準の低下

ベーシックインカムを導入するということは、全ての社会保障を一本化するということです。したがって、個人の状況に応じた、きめ細やかな保障が無くなるため、健康状態に合わせた扶助を加えることが不可能となります。したがって、福祉の水準が低下してしまうという懸念も存在します

まとめ

 ベーシックインカムの実現について検討する際、多くの国が共通して抱える課題はやはり財源の問題です。
今回、コロナウイルスの影響により日本で1人10万円の特別定額給付金が決まりましたが、たった1度国民に配るだけでも何十兆もの金額が必要になります。
これを毎月国民に支払うとなると、、、。想像がつきませんね。

各国が導入の検討を進める中、日本でもより一層議論の対象となることは間違いないでしょう。

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