企業のタネ

スタバはオワコン!?たった1年で1600店舗まで増やしたコーヒーショップの戦略

日本人なら誰もが知っているコーヒーショップ、「スターバックスコーヒー

ひと昔前は、『マックの店舗数=その都市における都会の物差し』と言われておりましたが、現在では『スターバックスの店舗数=都会の物差し』になっているほどの人気です。

(ちなみに私の地元では、駅前に4つのスターバックスがありますのでまぁまあ都会かな??笑)

そんな『スターバックスコーヒー』は中国市場にかなり注力しており、2019年現在で3300店舗を展開しています。今後の見通しでも2022年まで毎年600店舗を増やし、計6000店舗を目指すと発表しているほどです。

そりゃ、1.2億人の日本よりも、13億人以上の人口を誇る中国の方が企業メリットはでかいですよね。

しかし現在、中国スターバックスのビジネスはかなり苦戦を強いられているのです。
実際、2018年の第3四半期決算では、既存店売上が2%現象し、前年同期の7%増から大きく落ち込んでいます。

では、なぜ中国スターバックスは苦戦を強いられているのでしょうか?

スターバックス苦戦の理由

フードデリバリーサービスの急速的な浸透

日本にもウーバーイーツや出前館などのサービスがありますが、正直あまり浸透しているとは言えません。
それに比べ、日本では考えられないほどのスピードで中国ではフードデリバリーが浸透しており、中国都心部では、街中のどんな店もこのサービスに登録しており、私達消費者もデリバリーサービスアプリを入れていない人はほぼいません。

スターバックスももちろん、中国のこのような状況は把握しておりました。
しかし、スターバックスはあえてこのデリバリーサービスに手を出しませんでした。

その理由としては、
①スターバックスの価値はサードプレイスというポジショニングであるため。

※サードプレイスとは、自宅(ファーストプレイス)、職場や学校(セカンドプレイス)でもなく、自分にとって居心地の良く過ごせる空間のこと。

②デリバリー×コーヒーの相性の悪さ

冷める、氷が溶ける、泡がなくなるなど様々な点で、スターバックスとデリバリーは商品視点から相性が悪かったのです。

それでも2017年までは順調に売上を伸ばしてきました。
しかし、2018年に中国の状況が大きく変化します。

デリバリー革命

2018年、中国では「デリバリーサービス=ドライバーのネットワーク」を提供するビジネスが急速に拡大してきました。
つまり、店舗はデリバリー専用のドライバーを雇う必要もなく、ピークタイムでも座席や回転数に関わらず顧客を囲い込むことができるのです。

このような状況が起きると、店舗はどうなるでしょうか?

顧客はわざわざお店に行かなくても自分の居る所に届けてくれるのでデリバリー注文が多くなります。
企業としては、特に都心部の店舗ではイートイン座席を作る必要がなくなり、カウンターとキッチンだけのスタンド型店舗が増えます。

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今までであれば、「心地よい空間でコーヒーを楽しんでほしい」という店舗作りが重要でしたが、この状況において重要なのは『注文が来てからどれだけ早く商品を出せるか』です。
なぜなら、デリバリーを頼むユーザーは家から遠いかどうかよりも、『何分で届けてくれるのか』を重視するからです。

すると重要なのは『立地』です。

今までは「立地の良い場所=家賃が高い」でしたが、イートインスペースの要らない店舗であれば4畳あれば十分ですので、小スペース・小資本でどんどん出店していきます。

環境が変わると人の行動も変わりますよね。

今までであれば、朝、会社から150m先のスタバへ立ち寄り、コーヒーを買い、昼過ぎにも休憩がてらスタバへコーヒーを買いに行きます。

しかし、会社のビルの目の前にスタンド型店舗ができたとしましょう。
オフィスからエレベーターを降りてすぐであればもちろんわざわざスタバには行かなくなりますよね。
それだけでなく、今まで2回コーヒータイムがあったのが、近くなりすぎたので1日に3回行くようになるかもしれません。
それでも1日の出費はスターバックス2回の時と同じです。

もしくは、仮にビルの目の前にお店があったとしてもわざわざ行くこともなくなるかもしれません。
自分が行っても、デリバリーで頼んでも同じなのであればみんなは仕事デスクから動かずに携帯1つでデリバリー注文しますよね。

スターバックスvsラッキーコーヒー

上記のようなスタンド型店舗として実際に名乗りをあげたのが『ラッキーコーヒー』です。
2018年の1年間で店舗数はなんと1600にまで増やしており、この中のほぼ全ての店舗に席はなく、ピックアップとデリバリーに特化しています。

関連画像
https://www.youtube.com/watch?v=wPqpg2A-szk より引用

たった1年でラッキーコーヒーの戦略

ラッキーコーヒーはアプリからしか購入できません。
しかし、そのアプリをダウンロードするとコーヒー無料券が1枚貰えます
アプリをダウンロードするだけであれば、物は試しとばかりにとりあえずダウンロードしちゃいますよね。

注文方法は2種類あり、デリバリーor自分で取りに行くかのどちらかです。
購入後に発行される番号付きQRコードを見せれば商品が受け取れます。
ですので、お店で商品を選ぶことも可能ですし、お店に着く前に事前に購入しておけばそのままピックアップもできます。

支払い方法も2種類あります。
モバイルで払うor事前にコーヒーチケットを買っておくかです。
コーヒーチケットは1枚買うと1枚タダ。5枚買うと5枚タダで貰えるので実質半額でコーヒーを飲むことができます

さらに購入すると発行されるQRコードは人にシェアすることも可能です。
なので奢ったり、プレゼントしたり、代理でコーヒーを取ってきてもらうこともできます。

店舗としても、とにかく番号札順にコーヒーを作っておけば良いのでオペレーションの簡易化が実現できます。

この「ラッキーコーヒー」の出現により普段からコーヒーを飲む人にとっての生活は激変しました。

デリバリー革命があってこその戦略ではありますが、近い将来日本でもこのような業態のショップが生まれるのではないでしょうか?

追い詰められたスターバックス

ラッキーコーヒーの出現により、中国スターバックスは起死回生として2つの策を打ち出しました。

①スタバ専用のドライバー確保

スタバ専用にすることで提供速度の速さを意味します。
通常の配送であれば、一件ずつ商品を受け取って配達するのではなく、複数のデリバリー案件を同時に処理します。
しかし、専用ドライバーをつけることでコーヒーができたら寄り道せずに届けられるという利点があります。

②フーマーからスタバの注文が出来るように。

中国内で最も勢いのあるスーパーマーケット『フーマー』の中にスタバを作り、他の商品と一緒に注文することが可能になります。
日常の中にあるスーパーマーケットと一緒に提供することで頻繁に接点を持つことが可能になります。

まとめ

この2つの取り組みを皆さんはどう思いますか?

デリバリーも可能になったし、お客さんとの接点も増やせる!
これでスターバックスも安泰!

と思えたでしょうか?

マイクロビジネスの乱立とOMO型コーヒーショップの登場という、状況の変化に対して価値を提供できているわけではないと私は思います。

スターバックス自体が『ディスカウント』という中国の文化に適応させ、OMO化させて初めて中国ビジネスのスタートラインに立ったと言えるのではないでしょうか?

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